No. 049
ヒレナガハギは西太平洋からインド洋に棲む熱帯魚。
オトナになると全長30cmを超えるくらいになるので、
ご家庭用のアクアリウムに入れる魚としては
かなり大きな部類です。
まあるいボディに、褐色と白のシマシマ模様。かわゆいのう。
そして一番の特徴は何と言ってもヒレ。
半円形の巨大な網目模様のヒレが
ヒレナガハギの魅力を決定的にしています。
しかし、ちょっと残念というか、
だからこそ面白いというか、
ヒレナガハギはこの素敵なヒレを畳んじゃうのです。
多分広げておくと水の抵抗を受けすぎちゃうんでしょうね。
けれど、その畳んじゃったヒレを広げて
じゃじゃーん!と
見事なその姿を見せてくれる時があります。
それは相手を威嚇する時や、びっくりした時。
「ディスプレイ」ですね。
だからといって、驚かせちゃいけませんよ。
ストレスは寿命を縮めちゃいますからね。
ヒレナガハギを飼うと味わうことができる楽しみは
ほかにもあります。
それは「成長を見守る」こと。
成魚になっちゃたのを買ってくるのではなくて、
幼魚の頃から飼い続けるのがオススメなんです!
ヒレナガハギの幼魚は、
立派なヒレと縞模様こそ成魚の片鱗があるもの、
体もヒレも真っ黄色。まるで別の種類の魚のよう。
ちっこい体でひゅんひゅん泳ぎ回ります。
わんぱく坊主です。
それが成長するにつれ、
体が大きくなっていくのはもちろんですが、
黄色が薄くなって、褐色の部分が増していきます。
泳ぎ方も落ち着いてきて、すいーすいーっていう感じ。
あのやんちゃ坊主が
ずいぶん落ち着いた、立派な青年になったなあ、という感じです。
大人になると、先ほど書いたように
大きなヒレを畳みます。
脳ある鷹は爪隠す、知的でシブい大人です。
しかし、いざという時にはヒレを広げて
その美しい本来の姿を見せてくれる、デキる大人でもあります。
どうですか?
ヒレナガハギの成長を見守ってみたくなったでしょ?
注意すべき点は、かなり大きくなる魚なので、
幼魚を小さい水槽で飼い始めてしまうと
途中で大きな水槽に移し替える必要が出てくるかもしれないこと。
それから、成長するにつれ同種で喧嘩をするようになるので、
一つの水槽にはヒレナガハギは1匹だけにしておくということ。
大きな魚は、大きな水槽で飼った方が長生しますので、
ぜひそうしてあげてくださいね。
飼育のことで何か疑問がありましたら、
いつでも私アクアリンクにご相談ください!
ではまた!
小さなアクアリウム【夕焼け】