No. 089
歯科医院の待合室で、名前を呼ばれるのを待っている患者さんは
歯は痛い、早く治したい、
けれども、ほんの少し削って補填すれば済むのか、
大きく削らなければいけないのか、
麻酔はするのか、まさか抜歯???などなど、
不安な気持ちでその時を過ごしていることでしょう。
その待合室が、もし牢獄のような雰囲気であれば、
患者さんはきっと
刑の執行を待つ囚人のような気分になっちゃいますよね。
「次!⚪⚪!診察室へ!」なんておっかない声で呼ばれたら、もうトドメです。
どんなにドクターの腕がよくても、こんな歯医者には行きたくない!
ですから、今はもうどこの歯医者さんでも、
来やすい、居やすい、
清潔感があって、明るい待合室を備えるようになりましたね。
この歯科医院では、それらに加えて
待合室にアクアリウムを設置することで
少しでも患者さんの心理的負担を取り除こうとしたわけです。
非常によい考えだと思います。
魚の動きや、水草の揺らめき、ブルーやグリーンの優しい色。
それらは人の興味を引きます。人の心を和ませます。
アクアリウムは「生きているインテリア」なのです。
診療の待ち時間も、子どもにも大人にも
きっと楽しい時間になるはずです。
こんな待合室の歯医者さんだったら、行ってもいいと思いますよね。
(見るだけで虫歯が治っちゃうアクアリウムがあったら
もっといいんですけどね)
さて、この歯科医院のアクアリウム、ちょっとヒネリが効いています。
待合室のソファから見ると、左斜め上の壁の、
出っ張ったコーナーに埋め込まれているのですが、
ちょうど角のところですので、
水槽の正面と奥行き面の2面を見せる設計になっています。
普通は壁にビルトインした水槽は1面からしか見られませんが、
こうしてコーナーをうまく使うことによって、
2面を見せられるようになるわけですね。
水槽自体は、コストを抑えるために高さを抑えたものなのですが、
こうして幅と奥行きが強調されるとちっとも小さな水槽には見えません。
水槽の下に小物入れを作ったのも、
実用性とデザイン性を両立させていてナイスアイデアです。
患者さんは、待合室から水槽の横を通って
階段を2段上がって診察室に入ります。
そういう演出もグッドですよね。
水槽の裏側は院長先生の執務室になっていて、
もちろんそちら側からも眺められますし、
メンテナンスもそちら側から行います。
ですから、患者さんに見える部分は、とってもすっきりと仕上がっています。
こういったコーナー埋め込み型のアクアリウムは、
設置にセンスと経験を必要としますので、
どこの業者でもできるというわけではありません。
ご用命は必ず私たちアクアリンクへ!
ではまた!
小さなアクアリウム【夕焼け】