No. 133
今回ご紹介する魚は「インドキンギョハナダイ」。
「キンギョハナダイ」は太平洋からインド洋にかけて広く生息する魚ですが、
インド洋に生息するタイプは、特に体色が濃く、鮮やかなのです。
大きさは10cmくらい。
メスの体色は、「金魚」を彷彿とさせる実に鮮やかなオレンジ、
オスは深みのある赤紫で、それぞれとても美しいです。
ハナダイの仲間の中には、かなり神経質で、
飼育難易度中~上級の魚も少なくないのですが、
インドキンギョハナダイはその中では丈夫で、飼いやすい魚です。
このインドキンギョハナダイを何匹かの群れで飼った人は
ある興味深い光景を見ることになると思います。
水槽に入れたときにはオレンジ色のメスばかりだったはずの群れの中に、
なぜか入れた憶えのない赤紫色のオスが出現しているのです。
え?いったいどういうこと??
そう、インドキンギョハナダイは、性転換する魚なのです。
性転換する魚はこれまでにも何種類かご紹介してきましたが、
魚の性転換には元々はオスでそれがメスになったり、その逆だったり、
中性的なのがオスになって、それが次にはメスになったり、
いくつかパターンがあります。
インドキンギョハナダイは、最初は全ての個体がメスで、
その群れの中で大きく強い個体がオスになるのです。
群れの中のオスの割合はだいたい決まっているようで、
水槽の中に1匹のオスと9匹のメスがもともといたとして、
そこにあとから10匹のメスを追加すると、
全てのメスの中で一番大きくて強い個体がオス化を始めたりします。
この、メスがオスに変化していく過程はとても興味深いものですので、
インドキンギョハナダイを飼育するならじっくり観察してみてくださいね。
ではまた!
小さなアクアリウム【夕焼け】